日本海ケーブル
近着のKDDI広報誌 TIME&SPACE 2008年10・11号によると、日本~ロシア間の光海底ケーブルが開通し、9月6日から運用を開始したという。
ロシア最大の長距離通信事業者のロステレコム(Rostelecom)とKDDI共同で、日本~ロシア間光海底ケーブルネットワークRJCN(Russia-Japan Cable Network)が日本側は直江津(新潟県上越市)、ロシア側が極東ナホトカとの間に完成した。それも障害対応のため、南北の2ルート、それぞれ約900km、伝送容量は各ルート640Gbpsだという。
太平洋横断光ケーブルで米国経由の日本~ヨーロッパ間の電気通信は、大幅に伝送容量、伝送遅延などが改善されることになる。とくに外国為替のディーリングなど、端末のキーを押すタイミングと実際のデータが相手側に到達するまでの伝送遅延が大きな問題であったのだ。
明治の初期、デンマーク系の大北電信会社(GNTC)が1971年12月に長崎~上海間に、翌年1月に極東ロシアのウラジオストックから長崎まで敷設した海底電信線が開通した。これで日欧間に南回り、北回りの電信線が開通、日本の国際通信の始まりであった。東京~横浜間の電信開通から2年後のことである。
この電信線は、1本の導体を中心に周りを保護材で包んだケーブルで、通信も電流の断続による電信であった。
それから約100年後の1969年7月、大北電信会社GNTC、ソ連政府と日本側は国際電信電話株式会社KDDの3社の手で日本海ケーブルJASCが引かれた。極東ソ連のナホトカと新潟県直江津(五智)との間、全長890kmの同軸ケーブルによる広帯域回線である。電報も電話も、その通信容量は増大したのだった。
日本の国際通信発祥の地、長崎国際電報局は業務を終了。長崎の旧海底電信ケーブルの陸揚庫(ケーブルハット)は通信史跡として、長崎市小ケ倉千本の地に復元されているという。(この項、KDDI社史を参照)
日欧間の航空路もアラスカのアンカレッジや北極海経由のポーラールートからシベリアルート経由に移行し、時間的に近くなり、シベリア鉄道経由のヨーロッパ旅行もレジャーの楽しみを増してくれる(鉄ちゃんとしてまだ未乗区間だが)。
仕事を卒業してからは、国際電話もテレックスも利用したことはない。でもEメールやインターネットのWEB探訪には、最新の国際通信ルートを利用しているはず。どの海底ケーブルか、どの衛星回線を経由しているのかはわからないけど。
千葉県千倉の太平洋ケーブル陸揚局は見学させてもらったが、長崎のケーブルハット旧跡も訪ねてみたい。ホテルの前庭の隅に小さな記念碑が立っていたが、陸揚地は分からなかった。それに直江津の最も新しい局舎、RJCNの施設も見学したい。



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