JR花輪線にて
大鰐からの奥羽線特急かもしか2号は予定より3分ほど遅れて大館に着いた。この町は東京・渋谷駅前にある忠犬ハチ公の生まれ故郷だと、上り線ホームの改札口脇に大きな犬の置物がある。
跨線橋を渡って3番線に急ぐ。花輪線11:06発の快速列車が待っていた。最後尾のキハ58-1506号車に乗る。出発して右側を見ると、留置線にキハ110系2両が試運転と表示して止まっていた。車掌に聞くと、3月18日のダイヤ改正で、老朽化した58系からキハ110系に置き換えるという。そういえば、窓際の小さなテーブルに手を触れるとガタガタしている。
十和田南はスイッチバックで進行方向が逆になる。今度は先頭車だ。運転席の後ろに立つと、進行する線路は雪に覆われて見えない。真っ白な雪原を行く。2時間ほど前に先行した列車が通過後、線路が見えなくなるほど降っているのだ。
鹿角花輪で下車、下りと交換した。ホームには10センチ以上も雪が積もっている。ホームから改札口へ線路を渡ると、先客が駅員に写真を撮ってもらっている。「私もお願い」と1枚。ひとり旅だと自分が写っている写真は少ない。今回の旅での貴重な証拠写真となった。
待合室の片隅で、駅蕎麦のお昼ご飯とする。雪の降りしきる町へ出て、国道を渡って花輪局で貯金。駅へ戻る途中のお店で、太古焼きとコーヒーという変な組み合わせで一休み。お店のご婦人の話では、鹿角は江戸時代に南部藩だったと。この駅も、かっては陸中花輪と呼ばれていたことを思い出す。今は秋田県だけど、佐竹藩ではなかったのだ。
次の列車まで約2時間の待ち時間がある。駅前バス停から13:17発小坂行きの路線バスで十和田南へと時間潰し。独身の頃に十和田湖から蒸けの湯へ、また10年ほど前に夫婦で八幡平から十和田湖へとドライブした道だが、景色に思い出はない。雪は降り続いている。
十和田南の駅前は淋しい。十和田湖と結ぶJRバスの乗り場は分からなかった。十和田湖でヒメマスの養殖に成功した和井内さんの記念像が雪を被って立っていた。
そこへ見慣れない3両編成の列車が入ってきた。腹には大きく「こがね」と書いてある。団体臨時列車なので、駅の時刻表には表示されていない。
十和田南14:32発の上り普通列車に乗る。52系と58系との混合編成で、真ん中には旧国鉄塗装のキハ58-1528、セミクロス車が連結されている。後尾の52-754は出入り口と客室は仕切られていて、その出入り口の間にも1対のクロス席が両側にあった。寒冷地仕様なのだろうか。
岩手県に入ると、そこはもう八幡平市なのだ。荒屋新町には転写台や機関庫などが残っている。二戸市からのJRバスもあるようだが、車窓から見ると小さな町である。
大更あたりは雪が降っていないが、IGRいわて銀河鉄道を経由して盛岡に近づくとまたちらちらと舞っている。盛岡のホームで例の国鉄塗装車を間近に見ると、塗装は剥げて簡単に上塗りした跡がハッキリと分かる。これでは新車に置き換える必要に迫られるわけだと理解した。
銀河線の改札口を出てからJRの改札口まで、駅ビル内のお土産屋街を迷いながらうろつく。小さい駅弁を買って、17:09発のやまびこ64号の客となる。大宮で埼京線の快速、新宿で小田急線の急行と、乗り継ぎは順調に無事帰宅した。
(乗った日:2007年3月7日)


コメント